親が亡くなって、実家が空いた。兄弟の誰が片づけるのか、お金は誰が出すのかで、話が進まない。
相続人は、親が亡くなった時から、親の財産に属した一切の権利と義務を引き継ぎます(民法896条)。
実家も、その中に入ります。
相続人が2人以上いるときは、遺産を分けるまで、実家は相続人みんなの共有です(民法898条)。
相続人は、それぞれの相続分に応じて、親の権利と義務を引き継ぎます(民法899条)。
| やること(例) | 必要な同意 |
|---|---|
| 形や使い道を大きく変える(家を壊す、家全体を売る) | 全員 |
| 管理する(短い期間だけ貸す(建物は3年まで)) | 持分の過半数 |
| いまの状態を保つ(雨もりの修理など) | 1人でできる |
「過半数」は人数ではなく、持分の大きさで数えます(民法252条)。
壊す・売るは、1人でも反対すれば進みません(民法251条)。連絡が取れない兄弟がいるときの裁判所の手続は、共有の名義の記事にあります。
相続した財産に関する費用は、その財産の中から支払うと決まっています。ただし、相続人の過失による費用は別です(民法885条)。
| お金 | 払う人/決まり |
|---|---|
| 相続した財産に関する費用 | 相続した財産の中から(相続人の過失による費用を除く) 民法885条 |
| その年の固定資産税 | 1月1日に家を持っている人 地方税法343条 |
| 親が納めるはずだった税 | 相続人が、相続分に応じて 地方税法9条 |
固定資産税は、登記簿などに所有者として載っている人にかかります。載っている人が1月1日より前に亡くなっているときは、1月1日にその家を実際に持っている人にかかります(地方税法343条)。
壊す時期と税の関係は、固定資産税の記事にあります。
兄弟のうち誰がいくら出すかは、話し合いで決めます。このサイトでは、個別の負担の割合は判断しません。弁護士・司法書士・税理士に確かめてください。
相続を放棄するかどうかは、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に決めます(民法915条)。
放棄した人は、その相続について、初めから相続人でなかったことになります(民法939条)。実家だけを選んで手放す仕組みではありません。
| 放棄した時の様子 | しなければならないこと |
|---|---|
| 家を実際に使っていた(現に占有していた) | ほかの相続人などに引き渡すまで、自分の財産と同じ注意で家を保存する |
| 家を使っていなかった | 民法940条の保存の決まりは当てはまらない |
放棄の手続や、自分が保存する立場に当たるかは、家庭裁判所・弁護士・司法書士に確かめてください(民法940条)。